無名の古参ユーザーが振り返る初期の「はてなハイク」
2007年末、サービス開始から間もない頃の「はてなハイク」は、かなり大喜利色が強く、☆の数で面白さを競うみたいな空気がありました。
それが面白くてハマっていたんですが、次第にアクティブユーザー同士で自らをネタにした投稿が盛り上がるようになったある時、何となく疎外感を覚えてしまったのです。
後日「けまらしい」という言葉(いわゆるネット造語)を知った時、「あれがそうだったのかもしれない」と腑に落ちたことは、今でも鮮明に記憶しています。
僕自身は、面白いと感じた時にはその祭りのような狂騒に便乗することもありましたし、「不快」というほどの感情ではなかったものの、自分は「はてなハイカー」を名乗るあの人達とはちょっと違うな、と感じたことは事実でした。
ハイクを学校の教室で喩えると、当時の僕は「はてなハイカー」達がたびたび生み出す狂騒を、教室のすみっこで静かに眺めている、そんな目立たないユーザーの一人でした。
いや、常駐度の低さを考えると、時折廊下から教室の中を覗いては、立ったまま遠巻きに見ていたくらいが適当かも知れません。
自分は古参ユーザーの部類ではあっても「はてなハイカー」ではない……当時の僕は、そう感じていたのです。
そんな僕でも、日常の中からもネタを探しつつ1年、2年と投稿を続けていると、他ユーザーとの☆のやり取りも増え、少しずつ場に馴染んできたと感じるようになりました。
ユーザー間での揉め事もあったようですが、僕自身は特定のユーザーに対して☆を付ける以上の好意も敵意も向けず、場に対して自治的な行動を取ることもせず……ずっとそんなスタンスで利用していたので、ほとんど関係なかったというのが正直なところです。
さて、2009年半ば頃のハイクが、見る人によってはどんな風に見えていたのかは、珍しくハイクの話題が多くのブックマークを集めていた、この「はてな匿名ダイアリー」の記事から少し感じられるかもしれません。
ハイクには、リーダー的存在のヘビーユーザーが数名存在します。そのヘビーユーザーには絶対に逆らってはいけません。うまく取り入りましょう。
取り入る方法としては、ヘビーユーザーの投稿でスターがあまり付いていないものに、スターをつけたり、スターコメントをしたりするのがおすすめです。
どういう立場の人がこれを書いたのかは知りませんが、他のユーザーを気にしすぎというか、いわゆる「スクールカースト」的な空気を読みすぎというか、ずいぶんと偏った見方に感じます。
しかし、絵を描けるユーザー、とりわけ他のユーザーのために描いてあげられるユーザーがモテていた(そりゃ当然なんですけども……)のは僕も実感していましたし、「リーダー的存在のヘビーユーザー」を、他ユーザーとの絡みが多く影響力の強い≒人気ユーザーと読み替えて、上の「アドバイス」を新規ユーザーが目立つための方法と捉えると、分からなくもありません。
一方で、かつて多くの狂騒を生み出した人気ユーザー「はてなハイカー」の中には、ハイクに飽き足らず活躍の場をTwitterに移したり、ハイクでの交流を外へと広げていき、そのまま去ることになった人も、少なからずいたようです。
こういう流れに、ネットでたびたび見かける「コミュニティの一生」を連想してしまうのですが、「面白い」「面白くない」は多分に主観なので置いておくとしても、一部の古参ユーザーを見かけなくなったことは何となく実感していました。
そんな状況になってから、当初のハイクに感じていた面白さ以上に居心地の良さを覚えるようになり、そろそろ自分も「はてなハイカー」を名乗ってもいいかも知れない、そう考えたのが、この2009年頃でした。
自分の中では、「○○部」といったキーワードによる「ハイク内部活動」が盛り上がった2008年春頃、「寺社巡り同好会」というキーワードを作成し、新たな趣味としていた近所の寺社巡りのレポート的な投稿を始めたことが、大きな転機になったように思います。